「普段はとても元気なのに、風邪をひくと咳だけがいつまでも続く」
「走り回って大暴れすると、必ず咳き込む」
「大笑いすると、なぜか咳が出る」
「夜になると咳が出やすい」
「季節の変わり目になると、咳が増える」
このような症状はありませんか?
喘息というと、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と苦しそうに呼吸をする病気、というイメージがあるかもしれません。
しかし、子どもの喘息は、いつも苦しそうにしているとは限りません。
普段は元気に走り回っていても、風邪をきっかけに咳が長引いたり、運動や大笑いなどで咳き込んだりすることがあります。
もちろん、このような咳があるからといって、必ずしも喘息というわけではありません。
けれども、こうした症状を繰り返している場合には、気管支が過敏になっている「喘息体質」が隠れている可能性があります。
喘息は「症状が出たときだけ治す」病気ではありません
喘息は、症状がないときにも気管支に慢性的な炎症が起こっている病気です。私はよく「気管支が軽いやけどをしています」と説明しています。
そのため、「今は元気だから大丈夫」と思っていても、風邪をひいたり、激しく運動したり、冷たい空気を吸ったりすると、一気にこのやけどがひどくなって気管支がむくみ、空気の通り道が狭くなり痰が多くなって咳やゼーゼーが出てくることがあります。
大切なのは、症状が出てから対処するだけではなく、症状が出ないように気管支の状態を整えておくことです。
喘息には、発作を起こしにくくするための治療があります。ちょうど、やけどに塗り薬を塗って皮膚を元通りするのと同じ感じです。
元気なときにも必要に応じて適切な治療を続けることで、咳やゼーゼーを繰り返すことを減らし、日常生活への影響を小さくしていくことができます。
喘息の「治療」で目指すこと
喘息の治療で目指すのは、
「喘息という体質があっても、健康なお友達と同じように生活できるようにすること」です。
走りたいときに走る。
思い切り遊ぶ。
体育の授業に参加する。
旅行に行く。
夜はぐっすり眠る。
風邪をひいたときにも、できるだけ咳を長引かせない。
喘息だからといって、何かをあきらめる必要はありません。
日本小児アレルギー学会のガイドラインでも、喘息のお子さんが学校生活や運動などの日常生活をできるだけ制限なく送れるよう、適切に管理することが大切とされています。
「喘息があるからできない」ではなく、「喘息があっても、何でもできる」「やりたいことをやるために、喘息発作がでないようにする」
そんな状態を目指していきましょう。
こんな症状があれば、一度ご相談ください
- 風邪をひくと、咳だけが何週間も続く
- 夜や明け方に咳が出る
- 走ったり運動したりすると咳き込む
- 大笑いしたり泣いたりすると咳が出る
- 元気に遊んでいるのに、遊び終わると咳が続く
- 季節の変わり目に咳を繰り返す
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と呼吸することがある
- 咳や呼吸症状を何度も繰り返している
「喘息かもしれない」と思っても、喘息以外にも子どもの咳の原因はたくさんあります。
だからこそ、「このくらいの咳なら大丈夫」と自己判断せず、気になる症状があれば一度ご相談ください。
お子さんの症状や経過を丁寧に伺いながら、必要な検査や治療について一緒に考えていきます。
喘息の治療のゴールは、薬を使うことではありません。
お子さんが元気に遊び、眠り、学び、成長していけることです。
「喘息かもしれないけれど、元気だから……」という場合でも、どうぞお気軽にご相談ください。